2002年 秋季マイクロメカトロニクス学術講演会 第10回ウェアラブル情報機器シンポジウムプログラム

今回はウェアラブル分野で豊富な活動実績のある「WINの会」と並行しての開催といたしました。また、学術講演会の発表形式をポスター講演とし、よりインタラクティブで密な発表・討論が可能です。多数の皆様のご参加をお待ちしています。
WINの会:NPO法人ウェアラブル環境情報ネット推進機構 http://www.npowin.org/

主催
(社)日本時計学会[日本ウェアラブル機器学会に改称準備中]
協賛
(社)応用物理学会(社)軽金属学会(社)計測自動制御学会(社)精密工学会(社)電気学会(社)電子情報通信学会(社)日本応用磁気学会(社)日本機械学会(社)日本金属学会(社)日本塑性加工学会(社)日本鉄鋼協会(社)日本ロボット学会(社)溶接学会(社)日本設計工学会NPO法人ウェアラブル環境情報ネット推進機構
期日
2002年9月27日(金)
臨時総会・青木賞授賞式 11:00〜12:00
第10回ウェアラブル情報機器シンポジウム 12:30〜15:00
2002年秋季マイクロメカトロニクス学術講演会 15:15〜17:45
懇親会(WINの会と合同) 18:00〜20:00
会場
新丸コンファレンススクエア 地下大会議室・コンファレンスルーム
〒100-0005 東京都千代田区丸の内 1-5-1 新丸ビル
交通
JR「東京駅」駅(丸の内北口)徒歩3分
丸の内線「東京駅」(新丸ビル方面出口)徒歩2分
東西線(B1出口)・半蔵門線(A5出口)・都営三田線(D3出口)「大手町駅」徒歩4〜8分
千代田線「二重橋駅」(出口7)徒歩4分
参加費
学術講演会 正会員1,000円 非会員2,000円 学生 1,000円 (いずれも予稿集代含)
シンポジウム 正会員2,000円 非会員3,000円 学生 1,000円 (いずれも資料集代含)
(学生のみ、学術講演会・シンポジウムに両方参加の場合、合計1,000円とします。)
なお、入会の手続きはホームページhttp://wwwsoc.nii.ac.jp/hij/、または講演会当日に受付けで行うことができます。
臨時総会・青木賞授賞式
地下大会議室 11:00〜12:00
プログラム
二つのプログラム有
懇親会
新丸ビル地下1F 丸の内ポールスター 18:00〜20:00
参加費:4,500円
WINの会と合同開催

2002年秋 第10回ウェアラブル情報機器シンポジウム

地下大会議室 12:30〜15:00 司会 木村 南(東京高専)

主旨

ウェアラブルコンピュータすなわち身につけたまま使う情報機器の開発が急速に進んでいます。これは、衣服や眼鏡、靴、ボタン等を通してデジタル情報をやりとりするもので、人間をネットワークと見立てた分散システムです。またこの発展形態として、野生動物や人工物に微小なセンサを取り付け、無線通信により環境情報を収集する実験も始まっています。本シンポジウムは、実際のウェアラブル情報機器とその基盤技術を紹介するものです。
ウェアラブル情報機器の中心技術に、デバイスの微小化があります。日本時計学会(日本ウェアラブル機器学会に名称変更予定)では、腕時計における微小化技術を情報機器全般に応用するため、1996年に微小情報機器調査委員会を設置しました。またその具体的応用分野をウェアラブル情報機器に絞り、1998 年より9回のシンポジウムを開催し、ウェアラブル情報機器の要素技術と応用技術について、講演・討論を行いました。今回は、ウェアラブル機器の製品と応用例に関する5件の講演を行います。

  講演時間 講演タイトル 講師
1 12:30-13:00 GPSによる渡り鳥の追跡 静岡大学 福田 明
2 13:00-13:30 低消費電流を特徴とするGPS&BTの開発 エプソン 横澤 幸男、宮坂 浩一
3 13:30-14:00 超小型超音波モータの現状と今後 セイコーインスツルメンツ 飯野朗弘
4 14:00-14:30 ウオッシャブル ウオッチの開発 シチズン時計 木崎信尚
5 14:30-15:00 薄型デジタルカメラEXILIMの開発 カシオ計算機 湯山 将美

講演概要

  1. GPSによる渡り鳥の追跡 -- 静岡大学・福田 明 近年、渡り鳥の追跡に人工衛星が用いられるようになり、何千キロにも及ぶ渡り経路の解明に飛躍的な発展がもたらされた。しかしこの方式には、機器が高価であること、衛星通信回線の利用料が必要なこと、数百m程度の測定位置誤差があること、測定間隔の設定に自由度がないこと、などの問題点がある。 そこで筆者らは、これに替わるものとして、GPSを用いた渡り鳥の追跡システムの開発を行っている。機器はGPS受信機、メモリー、タイマー、バッテリからなり、設定された時刻ごとにGPS信号を受信して位置を算出しメモリーに記憶する。本方式では、10m以内程度の位置精度が得られるなど、衛星システムの上記欠点が克服されているが、最大の問題点は、機器を回収しなければデータが得られないことである。 30mの耐水能力を持つ重量66gの試作機は、400ないし500回位置測定することができ、現在ガラパゴスアホウドリを対象として実験が行われている。本年冬からは、さらにニュージーランドやサウスジョージア島などでのアホウドリの研究にも使用される。
  2. 低消費電流を特徴とするGPS&BTの開発 -- エプソン・横澤 幸男、宮坂 浩一 当社は1984年に世界初のPC情報リンク型小型情報端末として腕時計タイプのSEIKOーRC1000を開発製品化してPCと小型情報機器との情報リンクの有用性を示した。以来PC市場及びPC情報リンク型小型情報機器市場は大きく拡大し現在のPDA機器市場を始め、各種PC連動型小型情報センシング記録機器市場を形成している。この市場に向けて当社はリスト情報機器としてクロノビット、脈拍センシング記録機器としてパルスグラフ等を製品化すると同時にLCDを始めとする各種電子部品を供給している。 携帯用情報機器として最も重要な要素技術は「低消費電流化、小型化」であり、当社はこの特徴を実現したGPS受信モジュールを開発製品化、BTモジュールを開発しており、市場の要求に応じた製品化を進めると供に、より特徴を活かした市場創造に向けて開発を進めている。今回は上記モジュールの特徴及び試作サンプルデモを中心に報告する。
  3. 超小型超音波モータの現状と今後 -- セイコーインスツルメンツ・飯野 朗弘 1983年に円環状振動体の撓み進行波を用いた超音波モータが新生工業の指田氏から発表されると、その後進行波型超音波モータは多くの大学やメーカーにおいて改良が重ねられ様々な分野での応用開発が進められてきた。そして、現在ではその原理・構造を変えた超小型超音波モータが、時計、カメラといったメカトロニクス時代幕開けの代表とも言える小型精密機器へ応用されている。 そして最近では、研究トレンドとも言えるMEMS技術の発展とも相俟って、加工プロセスを主眼において考案された新しいタイプの超音波モータも出てきている。これら超小型超音波モータは従来の電磁型のモータでは実現できないアプリケーションにおいてもその応用が期待されている。 本報では、時計用を中心とした超小型超音波モータの開発の歴史、現状並びに今後の展開について述べると共に、最近の研究事例についても紹介する。
  4. ウオッシャブル ウオッチの開発 -- シチズン時計・木崎 信尚 ウェアラブル化の技術が進み、私たちの行動も益々情報と一体化して、便利で快適な生活の到来が予測されている。しかしながら、機器を直接身体に着けるということは、別の課題も生み出すことになる。人は生命体であるから、呼吸し汗をかき、新陳代謝を繰り返している。これにより老廃物が排出され、埃などと結合して身に着けた機器との間に「汚れ」が発生する。この「汚れ」は、臭いやカブレの原因になる事もある。誰しも汚れたものよりは、清潔なものを身に着けたいと考える。 そんなユーザーの声に応えて生まれたのがウォッシャブル ウオッチである。ニーズ調査、技術開発、モニタリングなどを交えながら、清潔で気持ち良いお付き合いを提供する、洗える腕時計の開発について紹介する。
  5. 薄型デジタルカメラEXILIMの開発 -- カシオ計算機・湯山将美 1995年にコンシューマ商品として上市されたデジタルカメラは、当初、高画素化、高機能化を重視して開発されてきた。しかし2000年のIXY−Dの登場以来、デザイン、小型化重視のタイプと、高画素、高機能重視のタイプに2極化して発展を続けている。この様な市場の状況の中で、カシオは2002年6月に「デジカメの楽しさ」を追求した薄型デジタルカメラ「EXILIM」を上市致した。薄型化を可能とする為には、デバイスと回路ブロックの小型化、ローノイズ化、ローパワー化を実現する必要がある。ここでは、EXILIMのために新規に開発された、MCM、ストロボ、LCD、スピーカなどの各デバイスの紹介と、回路およびPCBの最適化設計について紹介する。

問い合わせ先

〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻 保坂寛 Tel: 03-5841-6462 Fax: 03-5841-7215 E-Mail: [email protected]

マイクロメカトロニクス講演会

コンファレンスルーム02 15:15〜17:45
コアタイム:15:30〜16:30(講演番号奇数)、16:30〜17:30(講演番号偶数)
注:すべてポスター講演です。
同じ時間帯に地下大会議室でWINの会第14回講演会が開催されます(日本時計学会会員:参加費10,000円)。

講演番号 講演題目
1 漏洩セザワ波を用いたタッチセンサーの検討
  セイコーインスツルメンツ ○木村文雄、防衛大 戸田耕司、セイコーインスツルメンツ 新荻正隆、北島秀樹、皿田孝史
2 筋活動にかかるウエアラブル生体情報センシング・システムの開発
  東大 ○三角育生、井上友貴、古田拓也、保坂 寛、小林郁太郎、苗村 潔、板生 清、佐々木健
3 GPS、PHS、センサを用いた位置情報端末の検討
  東大 ○吉田 寛、生駒裕史、佐々木健、保坂 寛、板生 清
4 時計用温度補償データの非接触書き込みシステム
  セイコーエプソン 宮原史明
5 RFIDを利用したSPM採取分析システム
  東大 ○野間大輔、岩崎 哲、川原靖弘、佐々木健、保坂 寛、板生 清、長崎晋也
6 駆動反力絶縁ツイン駆動機構による回転型ヘッド位置決め機構の振動低減
  日立インフォメーションアカデミー 吉田武史
7 自動車運転環境の快適性評価機器のウェアラブル化
  東大 ○橋本芳信、板生 清、保坂 寛、佐々木 健、三角育生、デンソー 中川 剛、河内泰司
8 立体的変形を行なうマイクロ自己組織化ロボット
  日本工大 ○中里裕一、菊池健一、有賀幸則
9 ひずみ測定への圧電高分子フィルムの応用
  東京高専 ○黒崎茂、山口賢一
10 コントロールパッドによる箸型マイクロマニピュレータの制御
  東海大学 ○酒井茂徳、内山隆幸、津田展広
11 棒とはりの衝突における運動特性と衝突位置の影響
  東海大学 楢林達雄、○内島直史
12 棒の縦衝撃における衝突特性と反発係数
  東海大学 楢林達雄、○小檜山憲和
13 一体構造の精密位置決め用回転テーブルの設計試作
  東京高専 ○吉村靖夫、東京農工大 鈴木悟史
14 メカトロニクス製品の包装容器に関するデザイン研究
  東京高専 木村 南
15 マイクロメカトロニクス材料としてのAl2O3粒子+炭素繊維複合強化プラスチックの開発
  東京高専 木村 南
16 非対称3脚音叉水晶ジャイロの動作解析
  シチズン時計 ○柳澤 徹、山本 泉、小峰 伸一、塩路 明弘

講演会場地図

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